海の底(有川 浩)

海の底(有川浩)

[内容紹介]
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。
[感想]
有川さんの著作を続けて5冊読みました。[海の底」はその3冊目。
前作「空の中」は空に浮かぶ巨大な楕円形の生物「白鯨」が奇想天外でしたが、今作で登場する生物は深海に住むエビが浅い海で大量に増殖しかつ巨大化したという設定。それも3メートルを超すようなものまでいて、人間を貪り食うというというのですから、ありそうで、なさそうで、でもありそう。有川流ですね。
大挙して襲ってくる怪物エビに追われて、横須賀港に停泊中の海上自衛隊の潜水艦のなかに、少年たちと自衛官2名が逃げ込む。逃げ出そうとしても、エビが素早い動きで襲ってくるために、閉じ込められた状態になるという設定です。
エビが広がるのを阻止しようとするのが警察隊なんですが、主な武器がジュラルミンの盾による人力作戦だというのですから、言っては悪いのだけど、漫画チック。
エビを退治するには自衛隊が出動して重火器を使えば効果的というか、それしか手がないのに、なかなか実現できない。自衛隊がいろいろな縛りでなかなか活動できない実態が痛烈に皮肉られている。滑稽でさえある。
現代の矛盾を皮肉った娯楽作品として読めば、とても楽しめる作品です。(2018.08.19)

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