梁 石日

: 闇の子供たち(梁石日ヤン・ソギル)

[内容紹介]
貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセンラーは、もはや生きているだけの屍と化していた。
実父にわずか八歳で売春宿へ売り渡され、世界中の富裕層の性的玩具となり、涙すら枯れ果てていた・・・・・。
アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。
幼児売春。臓器売買。モラルや憐憫を破壊する冷徹な資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く衝撃作!

感想


全編、ただただすごい!の一言です。前半は、幼児売春の普通では想像もできない姿が描かれています。
大人が自分のストレス解消のために、幼児をもてあそぶ。なさそうでありそうな話かな、と妙に納得させられます。

後半は、臓器売買がテーマになります。一時、東南アジアで臓器移植手術が行われていることが報道されていた記憶があります。
その時は、なんで東南アジアで高度な手術が?と、たんに思っただけでした。不思議だと思った記憶があります。

真相はここにあったんだ…大勢の人間がかかわって臓器移植がシステム化されているのが、本当に怖い。

このごろ特に、いろいろな殺人事件が報道されています。
この小説を読むと、いわゆるモラルなんて関係の無い極めて残酷なところが、人間の本質の一面として、厳然としてある。

決して狂気の故ではなしに、普通に行えるものなのだ。人間とはそういうものだ。
そういったことを、生きていくうえで自覚しておく必要があるのではないか。そう思わされました。

以前、あるテレビ番組で、こういう場面がありました。
チンパンジーのグループ同士の争いで、勝ったグループのチンパンジーたちが、負けたグループの赤ちゃんチンパンジーを、みんなで喰っている、
そういった場面を、ショッキングなこととして放送していました。

実は、当たり前のことなのかもしれません。類人猿から進化?した、人間にも・・・そんなことまで考えさせる、「闇の子供たち」でした。
梁 石日の小説、重たいけど、読まずにはいられません。

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